犬の学習の原理

岡崎市に出張トレーニング

チワワ今日は、一応、定休日なのですが、岡崎市に犬の出張しつけに行ってきました。
お仕事を頂けるのは本当にありがたいことです、ありがとうございます。
1頭は、プードルのパピーちゃん、どうしても吠えるようになると困るということでご依頼いただきました。今のところ吠えと、トイレのしつけに関しては上手く行くと思われるので一安心です。

もう1件は、チワワの無駄吠えのしつけでした。こちらも吠えはかなり減らせると思うのですが、如何せん、どこの家庭も同じですが、お客さんがみえる頻度が少ないので、馴れるという事が成立しにくいのが問題です。僕が居るあいだの吠えに関しては、いつもお客さんが来ている時より、かなり減っていたので上手く言ってくれると思うのですが、あれこれ頭を使って対処していきたいと思います。

写真は、碧南市のチワワちゃんパピー。この子は安定したいい子でした。このまま育ってくれるように頑張りたいと思います。

さてさて、
自分が冷静に対処で出来るように覚書。
因みに、僕はこんなに完璧に出来たことは一度もないですけど・・・

アジでの、キュー付けでのポイント
犬がコースを決めて走って行ってからでは旋回してほしくても間に合うはずが無い
ハンドラーが、いかに先行してキューを出していくかにかかってます

初めは分かりやすく機材を一つにして無誤弁別学習に終始するに尽きる
そのときに気をつけたいのは、機材が一つで、間違えようが無い状況でも
キッチリ、キューを先行して出し、理解してもらうような練習の積み重ねが大切ですね。
失敗して、もう一回、もう一回の練習では、最終的には上手く行っているようでも
万年初心者の域からは脱することは出来ない と思います。
これでは、本番では絶対にCRはないですね。
なんとなくは走れるけど・・・なんとなく止まりになってしまいます。

ハードル1個、トンネル1個で、人の位置、犬の位置、手の角度、振り、動き、体の向きなど、
何をキューとして意識的に出して、犬に意識的に理解してもらうか、
1回も失敗させないで、進めていければ完璧です。
アジにおいては、何が失敗か犬に理解してもらうのは非常に困難です。
意欲的に動いてくれている限りは、全てが正解・・・です。

意欲的な子にとって、走れば走るほどに、内的強化子が出てしまうので、
ハンドラーからの外的な強化子の価値を上げていかないと、どうにもなりません。
そこで、重要になってくるのが、許可の合図と終了の合図をキッチリ理解してもらうこと。

これらを、生活の中で使っていって、ハンドラーが般性強化子となれば、事が上手く運ぶんですが。
アジやオビなどのトレーニング好きの方にとっては、それ自体が強化力が強いので
どうしても、練習してしまうんですよね。走って、少し上手く行ったときの爽快感は堪りませんからね

ここで、私たちの腕の見せ所なんですが、人にいかに意欲を落とさずに地味な練習をしてもらうか、
地味といっても、かなり地味なのでつまらんですからね。
アジやオビは、上達することが明確な強化子として確立してるのでいいのですが、

問題は、問題行動で悩まれている飼い主さんです。
そもそも、何かが上達したくて来ていただいている訳ではなく、
問題行動をなおしたくてみえているわけです。
負の強化(行動の直後に、ある刺激が消失すると、その行動の生起頻度が増える)
の随伴性なので、どうしても意欲的にはなりにくいですよね

分かりやすく言えば、頭が痛い時に薬を飲む行動、

頭痛い ⇒ 薬を飲む ⇒ 頭痛くない

誰しも、楽しんで薬を飲む行動をしているわけではないので、

逆に、アジなどは、同じく 飲む行動に例えると お酒やジュースを飲む行動に似てます

ハードル飛べない ⇒ 練習する ⇒ ハードル飛べた
おいしさ無し   ⇒  酒を飲む ⇒ おいしさ有

上達するのが強化子になっているので、意欲的に練習してもらいやすいです。

要するに
飲みたくて飲む行動をとっているお酒。
出来れば飲みたくないけど、飲む行動をとらざるを得ない頭痛薬

どう、がんばったって頭痛薬を楽しそうに意欲的に飲む行動は引き出すことは出来ない
と、いうことは、問題行動をなおす練習も意欲的になりにくいということですね。
これが、犬のトレーニングは簡単なんだけど、難しい という所以です。
トレーナーのこれからの課題ですね。

これを打破するのは、今の所、グループでのレッスンで楽しく進めていくのが一番かな。
なおかつ、問題行動を直接なおそうとしない事は本当に重要です。
人間に犬の問題行動が降りかかると、どうしても、困って『イライラするわ~』となりますよね
ようは、自分の身に嫌なことが降りかかると腹立つんです。

問題行動をとっている犬からしてみれば、それを止めさせようとする人の行動自体が、
自分に降りかかる嫌なことですから、どうしても犬も 『イライラするわ~』となってしまいます。
イライラすると、どうしても、怒ったり、力で押さえつけたりしてしまいがちになります、
犬もイライラすると、同じように、力で反発してくることが多くなります。
反発したときに、人が躊躇して引いてしまうと、
負の強化の随伴性によって、反発する行動が増えてくるでしょう。
かと言って、おとなしく服従するまで押さえつけるのは、下手をすると咬み犬を作ってしまうことになりかねません。
ようは、嫌だって言って反発しているのに、さらに押さえつけるわけですから、
女の人が痴漢にあっている状況と似ている、やめてといっても止めてもらえなかった場合
もっと、強く意思表示するはずです。もしくは、恐怖から動けない状態にさらされる。
押さえつけられている犬からすれば、もっと激しく抵抗せざるを得ない状況に追いやられるわけです。

そこで、咬みつきがでます。咬みつかれたら、さすがに人は躊躇してしまう。

押さえつけられている ⇒ 咬みつく ⇒ 押さえつけられていない

『咬みつけば止めてくれるんだ』 という学習になりやすいわけです。

非常に困ったことになりかねません。

こういうことにならないように、やっぱり、なおすのではなくて、教えるが重要。
それでもって、別のカリキュラムで抑制を養うトレーニングを行う。

ここ最近、無力感にさいなまれることがちょこちょこあるのですが、 

結局のところ、自分の行動が一番調節が効くわけですから、
自分の行動を変えることによって、随伴性に変化を起こして行くことが出来ればいいのですが、
なかなか、自分の行動は見えないんですよね。

アジリティー 朝練は暑かった

アジリティー暑い中、アジリティー練習にご参加くださいましてありがとうございました。皆さんかなり上手になってきたと思います。しかしながらCRは難しいですよね。7月は6時からとなりますので、ご参加される方は行き帰りの運転はCRでお願いいたします。

練習中にこんな話が出ておりました。
アジリティーで他の犬が走っている時にフセて待つなどのトレーニングは必要か?
吠えずに済むように落ち着ける場所で待機させてあげればそれで済む話なので練習要らずといえばその通りなんですよね。興奮する環境でも冷静にマテが出来たほうが走った時にも冷静に指示が耳に入るような気がしてしまうと思いますが、
圧力でテンションを下げてるだけのトレーニングは、気持ち的に落ちついて集中して走るトレーニングとは全く別物なので注意。

もう一つの提案は、走り始めたら二人の世界に入ってもらうトレーニングを施す。それで成立させれるようなトレーニングを組み立てればいいような気がする。難しいことなんですけど、理想的なので出来なくても永遠にそれを目指すのが大切かと。もしかしてそのうち出来るかも・・・

日常生活ではあまり必要ではないトレーニングを施す時に大切なのは、出来ることからコツコツと強化していく事が大切だと思います。アジリティーをやっている人からすれば、アジも日常生活ですから、フセて待つ練習もやってもいいと思いますが、
フセてマテの途中で動いてしまったり、吠えが出るようなら、それは今の段階ではその子にとっては限界を超えてしまっていると言う事なので、刺激レベルを下げて、成功できるような環境でコツコツとやっていってあげた方が近道です。急がば回れ的なトレーニングが大切。細かく「OK」などの許可の合図を成立させていつまで待っていればいいのかと言う事を理解してもらう。

理解させるんじゃなくて、理解してもらえるようなカリキュラムがいいですね。待つことではなくて、許可の合図を理解してもらうことが最重要なんですよね。どうしてもマテの方を一生懸命やってしまうので崩壊しやすいんです。

許可と報酬は永遠のテーマです。

僕のアドバイスもそうですが、先ずは何でそうやるのか?と言う疑問を持つことが重要、鵜吞みにしない。
行動の原理原則で考えてみて当たってるのかどうか? ポイントは「出来ない」を治そうとしたらアウトです。治そうとすると圧力をかけて強制的になるので、なおすんじゃなくて、覚えてもらうが重要。

因みに、ファンちゃんはウルサイです・・・

ヒールポジションやフロントポジション

ボーダーコリー ウィズちゃんボーダーコリーのウィズちゃん、素直な性格で理解してもらうのもとってもはやい子です。犬に吠えるのがちょっと大変ですが、先日のレッスンではいい感じでしたので、上手く行くと思われます。
アジにもご参加くださいますので、よろしくお願いします。

さてさて、
犬のオビディエンスの練習で、ヒールポジションに入れた時に、ズレに対して合図を付けて入れ直したりすると、いつまでたってもビギナーのレベルから抜け出せないと思います。イメージとしては、「先ずはズレて入って、そのあとに修正(2度目の合図)してもらってから少し動けばいいんだね」と言う感じでしょうか。それよりも、ずれた時に少し我慢して考えてもらい、自分から修正を少しでもしてきたらそれを強化してあげたほうが理解度が速いです。
で、それを実践してもらい易くするために、先ずは、ハンドラーも犬も歩きながら的確な位置を強化して行くのが簡単なような気がします。これならつけ直しをする必要が全くない、そもそも ずれている状態から、的確な位置にいる時にマークするだけなので利にかなっているかなぁーと。
ということで、先ずは、動きながら。的確に理解してきたら犬にだけ動いてもらってキッチリ入ってもらう。如何でしょうか。
オビディエンスレッスンもご希望があれば開催いたしますね。理解しにくいと思いますので是非リクエストください。
よく使う懐かしい動画、ファンちゃんがウルサイです。

犬はご褒美でつらない

ボーダーコリーホテル中のボーダーコリーのジョウジロウは、帰っていきました。寂しいよう無事に帰せてホッとしたような気持ちですね。

さてさて、
クリッカーなどでシェーピングしてるとき、最終目的の行動に少しでも近い
初めの1歩的な行動を強化していって、
さらに目的の行動に近い行動をしてもらう為に、
その行動を消去して消去バーストでもって
初めの2歩的な行動を出して行くみたいですが、
これでもって、3歩、4歩と続いていくんですが、

イメージとしては、そのゲーム全体(関係者も含み)が好きならバーストが起こってイラッとすると言うより

強化が止まったら考える感じになってくれると思う。なって欲しい。

なので、やっぱりどうやって伝えて、相手がどう感じてくれたかに尽きるね。

何か、苦手なものに慣らすときも、
ご褒美を使って拮抗条件付けをすることが多いんですけど、どうなんでしょね。

そもそも、『隣の怖い親父の家にボールが入ってしまって取りに行ってるようなものなので』
ボールは欲しくて取りに行ってるけど~ボールは獲得できたけど、

その親父のことは好きにはなってないみたいな。

だから、系統的脱感作と併用していかないといけないんだな!

親父と毎朝、顔おあわせて少しずつ挨拶するようになって、

気づいたときには、『べつに怖い人じゃないじゃん』みたいに。

っていうかこっちの方が効果的だね。

なので、抱っこすることに馴らすときも
抱っこに馴らすんじゃなくて、

その人って悪い人じゃないね 的なイメージで、
その人の動きに馴らすのがいいですね。

ドラハ アジリティー 競技会1日目

犬のアジリティー競技会昨日の一夜漬け練習は実らず、シーソーは完全拒絶されました。
JP3はまずまずでしたので良かったのですが、シーソーに関しては、1度で走っている時にも悩まされた問題です。夏の間にキッチリ修正しておかねば。

話は変わりますが、先日の勉強会の時に教えていただいたのですが、
恐怖反応は馴化するのですが、嫌悪感は馴化しないので拮抗条件付けをしないといけないらしいです。
今までと同じように、脱感作と拮抗条件付けを施すいうことになりますね

今までどうりなのですが、なんかちょっと賢くなったような気がする

トレーニング方法

犬のアジリティー

犬の問題行動に困ってしまい、
私たちのような、ドッグトレーナーに相談されると思うのですが、
様々なやり方があり、どれが良いのか困ってしまう方もみえるでしょう。

心から飼い主の指示に従っていなければならない。

ご褒美欲しさに指示に従っているのは、本当の意味で信頼関係が出来ていない、
いざと言うときに裏切られる。
芸を教えるのにはご褒美トレーニングでいいが、
しつけ、飼い主さんの為に動いてくれる犬を育てるには、
リーダーになることだ、主従関係だ、

などと言う、都市伝説を豪語されているトレーナーの方もいますが、

冷静に、犬の立場、行動を自分に置き換えて考えてみれば、
必然的に答えは見えてくると思います。

トレーニングを施してみたところ、
犬がオドオドするようになった・・・トレーナーが来ると隠れてしまう
ものすごく服従的に擦り寄っていく。
止まる、動きが遅くなる。 

などの様子が見られたら完全にかかわり方が間違っているような気がする。

あくまでも、『気がする?』 ってことです。

言語でコミュニケーションが取れるわけではないので、
本当の気持ちは解らん・・・です。

人も威圧的に接する人に対して信頼感が持てないように、

犬もまた威圧的、強制的な人に対して信頼して指示に従うことはないでしょう。

とかく強引に何でも強制して来る人とは
一緒に出かけたり、遊んだりするのがものすごく苦痛ですよね。

誘われると渋々付き合うって感じです。
そういう人とは、信頼関係は成り立たないですね。

いつも気を使って苦笑いです。

こういう人がいないグループでは、みんな伸び伸びと好きなことを言いものすごく楽しいんですね。

会社内でも居ますよねこういう人、
失敗したことを叱ってビクビクさせて、
結局、伸び伸びと仕事が出来ないようになって生産性を落とし、
また、それにイライラして怒る人。

失敗したら怒ってビクビクさせてしまうような対応は、
そりゃ簡単で楽なんですけど、信頼関係は築かれないですね。

ただ困ったことに、犬は人のそういう強制的な傲慢な接し方にあっても、
許してくれちゃうんですね、しばらくすれば、また犬のほうからアプローチしてきてくれる。
ちょっと特殊な動物です。
イルカやシャチだったら反対にやられそうですよね。(と思う?)

それをいい事に、人間は強制的に服従させようとするんですね。
だからこそ、本当はもっと他の理にかなったやり方をしなければいけないと思うのですが、
その理にかなったやり方がすでに築かれているのですから、
それを施さずに、嫌な刺激を避ける為に行動を定着させるのは・・・よろしくないですね。

トレーニングでは
愛犬に、『こうやっていれば怒られないですむんだ』っと、
怒られずに済む行動を考えさせてる状態でしょ、
非常に効率が悪いし、精神的に辛い状態。

犬は、飼い主さんのことが、おそらく好きだから、辛い。
好きだけど、怖い、不安、心の葛藤が辛い。

スピードがでない、精度が落ちるのには、
絶対に理由があります。

要するに解らんという場合がほとんどでしょ。

解ってるのに指示に従わない、だからもっと厳しく、
何てこともよく耳にします、
『ナメラレテル』 とかいいますよね。

そもそも解っててやらないんだったら、もはや今までやってきたトレーニング、信頼関係が
破綻していると考えた方がいいでしょ。

信頼関係が存在して、解ってればやるでしょ、

そもそも、『いつも常に飼い主の言うことを絶対に聞き入れろ、従え』
というのも、無理があるかなぁ

私たちも、テレビを見ていたり、本を読んでいたりする時、
話しかけられて、『ちょっと!うるさいテレビが聞こえん』っと言うことがありますよね?

ところが、イヌにはいつでも指示に従わせたがる。
まったりしていたり、匂い嗅ぎに熱中している時に、
ここぞとばかりに 『ゴンタ おいで』 なんて、
イヌからしたら嫌がらせ以外のなにものでもないでしょ。

そりゃ反応悪くななります。

ここぞと言うときに反応してもらう為には、
練習が絶対に必要なんだけれど、
練習の仕方、ステップアップの仕方が重要になってくる。

アジ錬にしても
失敗しているのに、何回も反復させて
ようやく成功したと思ったら、そのまま次の障害物へ向かわせてそのまま流してしまう。

これは、犬にとって何が正解かが非常に解りにくい

いつまでたってもレベルアップしないかも。

ピンポイントで今のが欲しかったと言うことをもっと伝えねば。

ハンドラーの体の動きと声によるキューを繋げていく作業もいるし、
声のキューと体の動きのキューのバランスを取る作業も必要。

人にとって面白みのあるコースを走って満足では レベルアップはどうなんでしょ。
楽しきゃいいんで、レベルアップなんてどっちでも良いんですが、

それで延々と練習が続いたら犬はたまったもんじゃない。
何回も失敗させるのではなくて、しつこく反復させるんじゃなくて、
ちょっとヒントをだして、考えさせて、行動をマークして、こちらの意図を理解してもらう。

赤ちゃんが、初めて立ち上がったとき、きっとお母さんは大喜びしてその喜びを子供に伝えるでしょう。
ピンポイントで、もちろん本人も立つこと自体ご褒美になっていると思うのですが、
お母さんが喜んでくれることで、その立ち上がるという行動がものすごく定着する。
その後は、一歩、歩いたら『すごいねー』・・・二歩、歩いたら『すごい・すごい』
だんだんとレベルアップしていくわけですね。

行動を細かく分解して、最終目標行動に少しでも近い動きをマークして伸ばしていけば、
すぐに目標行動に到達できるのに。

その後、体の動き、立ち位置もキューとして理解させて行く作業。

ハンドラーにとっては、不正解でも
犬にとっては、教えてもらったように動いているわけで不正解ではないのだから、
報酬が必要。

細心の注意を払って、どの動きがキューになっているか、キューにしていくかを伝えていくしかないですね。

それにしても家庭犬は訓練犬とちがって、訓練のとき意外はクレートの中とか犬舎の中ではないので、
欲しい物はほとんど手に入っている状態、なので難しいのでしょうね。